スピーカーの磁石の種類で音が違うのか?

こんにちは(^_-)-☆  しんのすけです

内磁型と外磁型
スピーカーユニットで、「アルニコ磁石は音が良い」というのをよく聞きます。(上図で左がフェライト磁石、右がアルニコ磁石)
1960年代ぐらいはほぼアルニコでしたが、有毒物質の問題で使用が制限されてからは、1970年代頃から徐々にフェライト磁石が主流になりました。また、最近多く使われているネオジム磁石は強力ですが、どうなんでしょう? 確か、登場した当時はカーオーディオのスピーカーユニットに良く使われていた覚えがあります。小型に出来るからです。当初は、高温での減磁が問題で、PA用には使われていませんでした。

中には、フェライト磁石のスピーカーの磁石外周にネオジム磁石をくっ付けて、音が良くなったとか言っている人も居るようですが、そんなに単純なものでは無い様な気がします( ^ω^)・・・

そこで、少し調べてみました(^.^)/~~~



まず、磁石の種類と特徴です。
【フェライト磁石】
酸化鉄に添加物を加えた微粉末を高圧で押し固めて焼結させる、いわゆる焼結合金。焼結後に0.002秒程度の瞬間的な強磁力のパルスを与えて着磁します。

下図は、10年ぐらい前のTDKさんの特性図です。グレードによって、磁力(強さや耐温度等の諸特性)が異なります。

tdk FBシリーズ


(特徴)安価、保磁力が高い、減磁しにくい、渦電流損が低く高周波まで適用できる。割れやすい。キューリー点は約460度。



【アルニコ磁石】
鉄に加えアルミニウム (Al)、ニッケル (Ni)、コバルト (Co) などを原料として鋳造された磁石(鋳造磁石)。
 以前は多く使われていましたが、有毒物質で使用が制限されたと思います。ウィキペディアには、コンゴ動乱でコバルトが高騰したためにフェライト磁石に移行したとありますが、初耳であって本当だろうか? 詳しい方は教えて下さい。
なお、Alは非磁性体なのに、合金にすると磁性体になっちゃう不思議ちゃんなのです。
なお、保磁力が大きくないので、薄いと磁力が得られないので形状は柱状になります。

(特徴)
キューリー点が約800度と高い、磁力が強い、薄い形状では使用できない、経時による減磁が大きい。



【ネオジム磁石】
ネオジム、鉄、ホウ素を主成分とする希土類磁石(レアアース磁石)の一つ。永久磁石のうちでは最も強力とされている。磁束密度が高く、非常に強い磁力を持つ。
当初、熱減磁の問題もあり、一部のカーオーディオや安価品から採用されはじめ、業務用やハイエンド・オーディオには使用されなかったが、最近では添加物等の工夫により、改善されている。
(特徴)
小型で磁力が強力。コスト的には多少高い。キューリー点は約315度で多少低いため、熱減磁しやすい。酸素との反応が強いので、酸素の多い環境下では発火することがある。その為、ニッケルメッキされている事が多い。



【サマリウムコバルト磁石】

サマリウムとコバルトで構成されている希土類磁石(レアアース磁石)。サマコバ磁石と略されることもある。硬度が低いためにもろい。1970年代前半に開発された。ネオジムが普及する前の、小型の工業用協力磁石と言えばサマコバ磁石でした。

(特徴) 最も強いネオジム磁石に次ぐ磁力を持つ。キュリー温度が高く700度- 800度。最大で摂氏350度程度までの環境でも使用可能。欠点は、脆い事と発火し易い事。


代表的な4種類の内容と特徴は以上の通りであって、どれも長所と欠点を持っており、どれが良いとは一概には言えなそうである。



磁気回路
このあとの回ですこし説明しますが、スピーカーの性能は、磁石の強さだけで決まるわけではなく、ポールピースとヨークの材質・形状や磁気ギャップ、ボイスコイルのいわゆる磁気回路の総合的な設計で決まることになります。

まあ、少し難しいんですけどね。ポールピース材料の飽和磁束密度等による制限があるので、スピーカーでは21,500 Oe(ガウス)が上限値らしいです。中には、23000ガウスを謳っているのもありますけれど・・・




蛇足ですがもう少し( ^ω^)・・・

マグネット開発では、日本は最先進国であり、仙台(主に東北大学)が聖地とされています。
興味のある方は、下記の「東北大学サイエンスカフェ」。研究の始まり(本多光太郎教授)については、7:30あたりからです。



これを観ると、磁石って不思議であり、深堀すると量子論でないと説明できない事が分かります。




ついでに、下記もご紹介しておきます。これは、磁石ではなくて世界最大の磁力についてです。


世界最大は東京大学の1200テスラです。ガウスにすると・・ ゼロが沢山だからやめておきます(笑)
ネオジム磁石は500ミリ・テスラと言っていますが、どういう測定なんだろうか? まあ、単品の表面で、大体そんなものという事でしょう。MRIで1.5テスラぐらいの様です。

15~20テスラで、生物は生体内の水分と反応して、空中浮遊するらしいです。1200テスラがいかに凄いか分かりますね。勿論、即死すると思います。

現在の磁束密度の単位は、SI単位系で統一されているので、ガウスではなくテスラが使われます。
1T = 10^4 G となる。すなわち、10G = 1mT(ミリテスラ)です。

だから、例えば20000G(ガウス)なら、2T(テスラ)です。
1200テスラはと・・  12000000ガウスです ^^;


以上、今回は磁石の話しで終わってしまいましたが、次回はスピーカーの磁気回路について、少し書こうと思います。
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コメント

コメント(10)
LE8TとLE8T-Hなど
こんにちは。アルニコとフェライトで直接比較できるユニットには、JBL LE8TとLE8T-H、アルテック604-8Hと8Kなどがありますが、純粋にマグネットの素材だけの違いなのでしょうかね。マグネットの違いに合わせて、仕様の変更などはないのでしょうか。私の場合は、200%違いが分からないので、全く気にしたことはありません。

ファミリーヴィラ

2021/06/26 URL 編集返信

硬質磁性材料
硬質磁性材料のことなんですよね。硬質磁性材料=着磁して強い磁石
等方性Baフェライト保磁力Oe 1800~2000 残留磁束密度G  2200~2400
その辺が2300Gの違いですかね?

音の違いは一番上の図の通り構造がアルニコとフェライトでは違います。
この辺が効いているのだと思ます。

一番最初に書いた硬質磁性材料に着磁する訳ですから、これには結晶方向など
色々簡単でない問題があります。異種硬質磁性材料を貼り合わせるのは、なんだかなぁ~となる訳ですね。

audioproject

2021/06/26 URL 編集返信

しんのすけ
Re:LE8TとLE8T-Hなど
ファミリーヴィラさん、こんばんは!

詳細は分かりませんが、スピーカーメーカーは、磁石に応じた磁気回路の設計をしています。ヨークの構造や素材、磁気ギャップ等。簡単に磁石を変えただけという訳ではありません。
下記のものは、JBLの一例です。

http://web.archive.org/web/20070214073654/http://www.harman-japan.co.jp/enjoy/tech/jbl_02.html

しんのすけ

2021/06/26 URL 編集返信

\(@_@;)/
1200T 気が遠くなる磁力ですね。

アルニコとフェライトの音の違いは形状の違いも原因の一つなのかも。

元新潟のU

2021/06/26 URL 編集返信

しんのすけ
Re:硬質磁性材料
audioprojectさん、こんばんは!

アルニコ磁石は、薄板では磁力が弱いので、長い円筒でないといけないから内磁型の構造。フェライト磁石は、幅が大きい方が良いから外磁型になります。必要なのは、エアー・ギャップ間の磁力なので、磁力が同じなら音は同じ(マグネットの特性や磁気回路の形が違うので、厳密には違いがあるが)という事だと思います。

なお、磁石は微細な(量子のレベルで)磁力の方向を持った磁性体の集合体ですから、組織は均一で連続している必要がありますから、磁石に違う磁石を付けても強くはなりませんね(^^)/ 
やるなら、ヨークを追加して別の磁気回路を並列で作るという事でしょうが、次回のブログで書きますが、ヨークの飽和と漏洩磁束の問題があり、限界が決まっているのです。

しんのすけ

2021/06/26 URL 編集返信

しんのすけ
Re:\(@_@;)/
元新潟のUさん、おはようございます!


1200T 怖いです(@_@)
>アルニコとフェライトの音の違いは形状の違いも原因の一つなのかも。
分かりません。だって、同じシリーズでも磁気回路が違いますから、単純に磁石の違いだけではないからです。

しんのすけ

2021/06/27 URL 編集返信

604の比較では!
こんにちは!

アルニコが高騰したのは、ベトナム戦争の時コバルト爆弾に使われ、希少化した事が
原因だとされています。
604は8Gと8Kを持っていますが、アルニコとフェライトの違いは明らかですね。
アルニコを使っている8Gは、重心が低い綿密な音、反面、高域が伸びず鈍重。
フェライトを使っている8Kは、解像力の高い明るい音、反面、薄っぺらい軽薄さ。
604に限っての事ですが、音楽を楽しく聴くには、断然8Kですね・・・(笑)

imoken58

2021/06/27 URL 編集返信

しんのすけ
Re:604の比較では!
imoken58さん、こんばんは!

なるほど、コバルト爆弾か!流石、年の功(失礼)
604も両方比較できているのは、恵まれたご環境です^^; 設計自体が変わってしまうので、同じ音にはならないと思います。やはり、好みの問題で選べば良いという事でしょう。
記事の主旨としては、アルニコ=良いという、メーカーや評論家主導のご意見や世論に対して、あまり左右される必要はないのでは? というところです。

しんのすけ

2021/06/27 URL 編集返信

超電導
不思議なのは金に糸目をつけないと言いながら、
https://jp.medical.canon/products/magnetic-resonance/jiba 
超電導磁石を使った試作スピーカーを見たためしが無い事です(笑)
https://urarakaaudio.com/yamaha-ns-20/ 
このエレクトーン用スピーカーを今作ったら面白いでしょう。
http://www.fal.gr.jp/products/flat-c90/
考え方は面白いのですが1桁高いです。

ひらひら

2021/06/30 URL 編集返信

しんのすけ
Re:超電導
ひらひらさん、こんにちは!

超電導まで必要が無い事をメーカー技術者は分かっているのでしょう。ガレージメーカーでは、開発できないでしょう(笑)
NS-20は初めて観ました!これがNS(ナチュラル・サウンド)シリーズの元祖なのかな(=^・^=)
FALの古山氏は40年以上前、今の店ができる前に展示会でハイル・ドライバーと共に能書きを聞かされました。資料をしまい込んで出てこず、ブログに書くのが遅れております^^;

しんのすけ

2021/07/01 URL 編集返信

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